介護職の人数が絶対的に不足している現代では、作業の効率化を進めることが重要視されています。一つ一つの仕事が楽になることで、人材不足を解消しようとしているのです。そのためにコンピュータを導入して利用者のデータを完全に共有することで、作業効率を大幅に上げることも検討されています。
また、寝たきりの高齢者の数を減らすことも、作業を楽にするために重要なことといえます。健康である程度の日常生活を自力で送れる高齢者が増えれば、介護の仕事も減り人材不足が解消されるでしょう。認知症の予防も、同じ理由で重要なことといえます。認知症の高齢者が一人いると、職員はその人から目を離すことが難しくなってしまいます。また、自分に任されている他の仕事とのバランスが取りづらくなり、効率が悪くなってしまいます。そのため、仕事が溜まって残業が続いてしまったり、他の職員の負担が増えたりすることから仕事を離れる人が出てしまい、人材不足が改善されないという悪循環に陥ってしまうことも考えられます。
何より、認知症を患ってしまった本人や家族のストレスや負担も大きいのです。一人でも多くの高齢者が正常な脳の状態を保ち続けられるためには何をしたら良いのかが介護業界の大きな課題となっています。手先を使うことは、認知症の防止にも効果があると言われています。そのため、いくつかの介護事業所では手先を使うゲームを取り入れたりしているのが現状です。医学の分野でも研究が進んでいます。将来的には今よりも認知症患者の数は減らせる見込みですが、それ以上に介護職員の人材不足が早く進行してしまう可能性は高いのです。